2016年8月31日水曜日

フランスのパリより_バリアフリーを考える「岡山市のこども絵画教室図工パーク」

グランガルルのパリ校ではデザインを学ぶ日本の学生たちが
デザイナー稲葉氏より課されていた課題発表を行いました。

その中で、課題内容とは少し議題が外れるのですが、バリアフリーについての話題が持ち上がりました。日本では様々なところでバリアフリーデザインの取り組みが進んでいるのに、パリでは地下鉄や公共の場所で階段や段差が多くバリアフリーではない。というものでした。

そこで稲葉氏から興味深い発言がありました。
「フランスでは、階段で重い荷物を持っている女性や年配の方などがいたら、必ず近くにいる人がすぐに手助けします。」日本ではほとんど誰も助けないでしょ?

そう言われて確かに注意してよく見てみると、パリの街では重い荷物を持っている人がいたら、本当に近くにいる人がビックリするくらいすぐに助けています。一見怖そうに見えるお兄さんも、お年寄りに席を譲ったり重い荷物を運んであげています。

パリは街がバリアフリーでなくても、それを人の親切「道徳」が補っているのです。日本では障害のある方や弱者の方は助けてもらえない。だから自分で頑張らなきゃいけないし、バリアフリーのデザインが必要になると思います。でも、街をバリアフリーにする前に、もっと子供達の道徳という時間に、手間とコストをかけても良いのかもしれませんね。


「心のデザイン」そんな言葉が頭の中をフワフワと舞うパリの1日でした。







2016年8月20日土曜日

フランスのパリより_岡山市の子供絵画教室「図工パーク」

ボンジュール!

デザイナーのたけきよです。
図工パークでは、夏図工が好評をいただき賑わっております。

私はというと、只今図工パークの上級学年のアトリエ「グランガルル」のパリデザイン研修の引率のため、パリのアパートメントに8月いっぱい滞在しております。今年のフランスの夏は暑くなったり、寒くなったりと夏と秋が一週間おきに入れ替わっている感じです。寒くて初日に早速上着を買いに行ったくらいです。


また、暑い夜には、学生たちとセーヌ川沿いに出かけてピクニックを楽しんでいます。夜にピクニック?と思われるかもしれませんが、こちらでは夜10時くらいまで日が沈まないので、フランスのみなさんは夜の11時くらいまで夏の夕べを楽しみます。


デザイン研修の合間に、図工パークの参考のためにたくさんのこども絵画や図工の本を調べに出かけています。日本のこども絵画教室とヨーロッパの一番の違いは、何と言っても定義の広さでしょうか。

日本での美術は、絵や図工を上手にできるように技術を習うところ。というイメージが強いのですが、


ヨーロッパの美術や芸術の時間は、
ものづくりをきっかけとして、
気づきや発見の仕方を楽しむようになってもらうこと。
ものの見方や感じ方など、感受性を高めてもらうこと。
自分で工夫を重ねて改良し、答えのないものを完成させるということに喜びを感じてもらうこと。
そして最後に、
何より人生の楽しみ方を知ってもらうことなのです。


日本で大人たちに「子供の頃、美術や音楽は好きだった?」とよく聞きます。残念ながら大半の人たちは「自分は苦手だった。自分には才能がなかった。。ダメだった。。」という苦手意識の答えが返ってきます。こちらではほとんどの人たちが「楽しかった」という思い出しかありません。豊かな芸術教育を受けた大人たちは週末になると美術館や音楽会、演劇などへ、人生を楽しむ時間としてたくさんの人が足を運ぶのです。

図工パークでは「人生を楽しめる人」を育てていきたいなあと思っています。
人生を楽しめなかったら結局、何も得なかったのと同じですから。



人生をたのしむ街 パリより
図工パークのみなさまへ
残暑お見舞い申し上げます。

Designer Takekiyo

19.aug.2016